JR西日本の長谷川一明社長は8月26日、近畿エリアで終電の時刻を繰り上げると発表した。来年2021年春のダイヤ改正で実施する。
近畿エリアのおもな路線で終電を10~30分程度繰り上げ、約50本の列車を削減する。東京方面からの最終の新幹線(新大阪23時45分着)との接続は可能な限り確保する。
長谷川社長によると、保守作業に従事する作業員が急速に減少しており、これが終電繰り上げの検討の背景にある。最終列車の時刻を繰り上げることで夜間作業時間が拡大し、一晩あたりの作業量が増加。保線機械を使った効率的な作業を増やすことや、夜間作業日数の低減が可能になり、保守作業に従事する作業員が休日を取りやすくなるなど、働きやすい労働環境の整備につながるという。
また、近年は帰宅時間が早まっており、夕方の18~20時台の利用者が増えている一方、22~24時台の利用者が減少しているという。終電の繰り上げを行いやすい環境に変化しているといえる。
このほか、近畿エリアの各線の利用者を対象にアンケート調査を実施。約2~3割が終電の繰り上げに反対意見を持っていたが、反対意見を持っている人に「私鉄と同じ時間ぐらいまでの運行」「最終新幹線からの接続確保」といった条件で再度質問したところ、反対の回答は半分以下に下がった。終電の利用頻度も限定的であることが確認できたという。
路線ごとの具体的な時刻などは、9月に公表される予定だ。