指定席券売機「AIが応対」JR西日本が京都駅で実証実験 将来はうめきた地下駅に



JR西日本は2月25日、AIが客に応対する指定席券売機の実証実験を京都駅で行うと発表した。将来的には「うめきた(大阪)地下駅」(2023年春開業予定、開業時は大阪駅に統合)でのサービス提供を目指す。

AIによる自動応対機能を搭載した「みどりの券売機プラスAI」の利用イメージ。【画像:JR西日本】

京都駅西口の指定席販売窓口「みどりの窓口」内に、「みどりの券売機プラスAI(仮称)」を1台設置。2月26日から稼働している。オペレーターが遠隔が応対する「みどりの券売機プラス」にAI自動応対機能を追加したもので、画面に表示されるキャラクターが利用区間や日時、座席などの希望を聞く。受話器を通して話すことで要望の内容をAIが理解し、最適な切符の購入を支援するという。

この機能を使って購入できる切符は乗車券や特急券など一部に限られる。従来のみどりの券売機プラスと同様、自分で操作して切符を購入することや、コールセンターのオペレーターの案内による利用も可能だ。

みどりの券売機プラスAIはJRの指定席販売システム「マルス」を管理する鉄道情報システムが開発したもので、JR西日本と鉄道情報システムが共同で実証実験を行う。実証実験の実施期間は3月10日までの予定だが、今後の開発状況によっては必要に応じて別途実証実験を行う場合があるという。

この実証実験はJR西日本が2018年に策定した「JR西日本技術ビジョン」の一環。JR西日本はうめきた(大阪)地下駅を「技術ビジョン」の具体化に挑戦する駅と位置付けており、同駅でのサービス提供の実現に向けた可能性を検証するため実証実験に取り組むとしている。

JR西日本は人口減少による労働者不足や利用者の減少を想定し、駅員が直接応対するみどりの窓口の廃止と、オペレーターが遠隔で応対するみどりの券売機プラスの導入を進めている。北陸エリアの場合、七尾線の和倉温泉駅や越美北線の越前大野駅などでみどりの窓口が3月11日限りで廃止され、みどりの券売機プラスが導入される予定だ。

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