京都嵐電の運賃改定申請、4月から「値上げ」へ 老朽車「更新」など計画



京福電鉄(京都市)は1月27日、国土交通省近畿運輸局に嵐山本線・北野線(嵐電)の運賃改定を申請したと発表した。申請通り認可された場合、4月1日から値上げされる。

嵐電の西院停留場に停車する101形。【撮影:草町義和】

普通旅客運賃は現行220円が30円値上げの250円に。定期旅客運賃は1カ月の場合、通勤定期券が1000円値上げされて8500円になる。通学定期券は4000円で据え置き。これ以外の乗車券類や詳細な取り扱いについて、京福電鉄は認可後に案内するとしている。

京福電鉄によると、原材料高騰による工事費の増加や燃料高騰による電気料金の上昇、最低賃金の上昇などによる人件費の増加があり、現行運賃では収支改善を図ることが困難な状況。また、バリアフリー化やサービス改善、安全性向上のための機器更新なとの設備投資を継続的に実施する必要があり、運賃の値上げを申請したという。

京福電鉄は運賃改定で実施する設備投資として、停留場のスロープ整備やかさ上げなどによるバリアフリー化を進める方針。まず2023年度に嵐電嵯峨駅のバリアフリー化を図り、2024年度以降も西大路三条・山ノ内・太秦広隆寺の各停留場のバリアフリー化を行う。車両は2001形電車2両を改造し、電力消費量を削減できる回生ブレーキを設置。回生電力を有効活用するための回生電力貯蔵装置も新設する。

このほか、京福電鉄は老朽化が著しい車両の更新も計画。「車体製造から50年、電動機等は製造から90年以上が経過する車両7両」を更新するとしており、1929年製の101形電車6両(101~106号)と1971年製の301形電車1両(301号)が更新の対象とみられる。同社は更新に際し、VVVF装置や回生ブレーキを導入して環境負荷を低減。車内バリアフリー化による快適性の向上も図るとしている。

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