留萌本線「段階的に全線廃止」沿線自治体が同意 まず石狩沼田~留萌、来年3月まで



JR北海道と留萌本線の沿線自治体は8月30日、留萌本線を2026年までに段階的に全線廃止することで合意した。これによりJR北海道が鉄道廃止・バス転換の方針を示していた線区がすべて廃止されることが確定した。

留萌本線の列車。【画像:中村昌寛/写真AC】

留萌本線の存廃は2018年に設置された沿線自治体会議で議論されてきた。JR北海道は今年2022年7月、段階的廃止案を提案。沿線の深川市・秩父別町・沼田町・留萌市の4市町が提案を受け入れた。

提案によると、石狩沼田~留萌を来年2023年3月末まで運行して廃止。残る深川~石狩沼田は2026年3月末まで運行して全線廃止する。JR北海道は一部廃止から全線廃止まで3年間の運行費用と折り返し設備の整備費を全額負担。代替交通についても鉄道廃止から最大で18年間、支援する。このほか、1自治体あたり約7000万円のまちづくり支援を行う。

留萌本線の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

留萌本線は函館本線の深川駅と日本海沿岸の留萌駅を結ぶ50.1kmの鉄道路線。かつては留萌駅からさらに日本海に沿って16.7km先の増毛駅まで結んでいたが、2016年に廃止された。残る深川~留萌も沿線の過疎化に加え高規格道路の整備などで利用者が減少。輸送密度は近年100人台で推移し、コロナ禍の2020年度と2021年度は90人に落ち込んでいた。

JR北海道は2016年、輸送密度が200人未満の線区について、鉄道を廃止してバスに転換する方針を発表。すでに沿線自治体との協議を始めていた2線区を含む5線区が鉄道廃止・バス転換の対象とされた。このうち石勝線夕張支線と日高本線・鵡川~様似、札沼線・北海道医療大学~新十津川が2021年までに廃止済み。2022年1月には根室本線・富良野~新得の沿線自治体が鉄道の廃止に同意しており、留萌本線だけ方針が決まっていなかった。

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