JR北海道の新型車両「737系」来春デビュー ステップなし、中央にフリースペース



JR北海道は8月17日、通勤型交流電車「737系」を導入すると発表した。同社の通勤型電車としては初めてワンマン運転に対応した新型車両。来年2023年春から運用される。

737系の想像画。【画像:JR北海道】

クモハ737-0代(室蘭寄り1号車)とクハ737-0代(苫小牧寄り2号車)の2両編成で最大6両まで併結できる。定員は2両合計で269人。キハ143形(2両合計244人)に比べ25人多い。各車両の定員はクモハ737-0が136人(座席49人・立席87人)でクハ737-0は133人(座席44人・立席89人)。

車体側面は「優しさが感じられ、親しみやすく明るく若々しいデザイン」として桜色をイメージした淡いピンク色の塗装とした。前面部は黒をベースとし、視認性向上を目的にコーポレートカラーのライトグリーンと警戒色の黄色を入れたデザインにする。車内も乗降ドアを淡いピンク色でデザイン。座席は「北海道内に咲く色とりどりの花」をイメージしたドットをちりばめたデザインにした。

737系の車内想像画。ドアは淡いピンク色でデザインする。【画像:JR北海道】

車体はアルミ合金製だが先頭部は鋼鉄製。車内座席はロングシート。客室床面はキハ143形に比べ19cm低くして乗降口のステップをなくす。車椅子対応の大型トイレと車椅子スペースを設置するほかフリースペースを各車の中央部に設け、ベビーカー利用者や大きな荷物を持つ客にも対応する。

車内連結部寄りの想像画。座席はロングシートを採用する。ドア部のステップはない。【画像:JR北海道】
車両の中央部にフリースペースを設ける。【画像:JR北海道】

主変換装置にハイブリッドSiCモジュール、照明にLEDを採用して従来車両より消費電力を減らす。JR北海道の通勤型電車としては初めてワンマン運転に対応する装置を搭載する。最高速度は120km/h。

737系の構成。【画像:JR北海道】

今年2022年冬に最初の編成が完成し、2023年春までに順次完成。同年春から室蘭本線の苫小牧~室蘭で運用される予定だ。これに伴い気動車のキハ143形などを置き換える。

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