愛知リニモ「万博車」復活、一番列車の日時が決定 ジブリパークのオープンに対応



愛知高速交通は10月7日、同社が運営する東部丘陵線「リニモ」で10月13日から100形の第09編成を運行すると発表した。当初は10月11日の予定だったが2日延期される。2005年日本国際博覧会(愛・地球博=愛知万博)の終了後に売却された「万博車」が17年ぶりに復活する。

100形の第09編成(2005年当時の装飾)。【撮影:草町義和】

リニモは名古屋市営地下鉄東山線の藤が丘駅と愛知環状鉄道線の八草駅を結ぶ8.9kmの路線。常設の営業路線としては日本で唯一の磁気浮上式鉄道で、常電導吸引型リニアモーターカーを採用している。沿線での愛知万博の開催にあわせ2005年に開業した。

車両の100形は3両固定編成で開業時に第01~09編成が導入された。このうち第09編成は愛知万博開催時の輸送力増強用で、資産上は万博協会が所有。当時は100形のほかの編成とは異なり万博開催を記念した装飾が車体に施された。万博終了後は伊藤忠商事を経て三菱重工業に譲渡され、同社の総合交通システム検証施設「MIHARA試験センター」(広島県三原市)で保管されていた。

しかし万博会場を再整備した愛・地球博記念公園の敷地内に、『天空の城ラピュタ』などのアニメ制作会社「スタジオジブリ」のテーマパーク「ジブリパーク」が整備されることに。今年2022年11月に第1期オープンの予定で周辺道路の混雑が懸念されたことから、公共交通利用の促進策としてリニモの第09編成を買い戻し、輸送力の増強を図ることになった。

100形の第06編成。【撮影:草町義和】

第09編成の一番列車は10月13日、愛・地球博記念公園駅を9時40分に発車する藤が丘行き上り列車の予定だ。

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