使用停止中の線路上にそのまま「太陽光発電」設置 日豊本線の駅



JR九州とウエストホールディングスの2社は10月8日、日豊本線の佐土原駅(宮崎市)で太陽光発電システムの実証実験を開始したと発表した。線路上に太陽光モジュールを設置。発電した電気を駅の照明などで利用する。

佐土原駅に設置された太陽光モジュール。【画像:JR九州・ウエストホールディングス】

太陽光モジュールが設置されたのは、佐土原駅1番線。1番線の線路は列車の運行では現在使われていないが、線路は撤去せずそのまま設置した。発電出力は4.97kWで、年間約6500kWhの発電を想定する。二酸化炭素(CO2)排出量の削減量は年間で5t-CO2を見込む。

この取組は国土交通省による「令和6年度鉄道技術開発補助金(鉄道脱炭素施設等実装調査)」に採択されており、2社はレールへの太陽光モジュールの設置における取付状態や発電状態の検証を行う予定だ。

千葉ニュータウン内の成田新幹線建設用地に設置された太陽光モジュール(右)。【撮影:草町義和】

使用されていない鉄道用地に太陽光発電のソーラーパネルを設置した例は、JR東日本の京葉車両センター(千葉県千葉市・習志野市)や千葉ニュータウン内の成田新幹線用地など多数あるが、使用を停止した線路上にそのまま設置する例は珍しい。2社によると、駅構内の使用停止レールを活用した事例は国内初の取組という。

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