リニア中央新幹線「大深度地下シールドマシン」10月14日に初発進 まず「調査掘進」



JR東海は10月12日、リニア中央新幹線・第一首都圏トンネルの北品川工区について、10月14日から「調査掘進」を始めると発表した。これまでは資材搬入路となる立坑(開業後の非常口)の工事が中心だった。中央新幹線の大深度地下トンネルでシールドマシンが発進するのは、これが初めて。

北品川工区のシールドマシン。【画像:JR東海】

この調査掘進では北品川非常口(東京都品川区北品川4丁目)から等々力方面に向け、10月14日にシールドマシンを発進。本年度2021年度中は広町1丁目まで約300mを掘る。これにより地盤の変位や振動などを計測し、周辺への影響や安全対策の有効性などを確認する。

その後、周辺住民向けの説明会を開いて確認結果を説明し、本格的な掘進に移行する。JR東海は説明会の前に本格的な掘進を始めることはないとしている。本格的な掘進は2022年度以降の予定だ。

第一首都圏トンネルは、品川駅と神奈川県駅(仮称)を結ぶ全長約37kmの大深度地下トンネル。四つの工区に分かれている。このうち北品川工区は、東京都港区港南から川崎市中原区等々力までの約9.2km。北品川・東雪谷・等々力の3カ所に非常口が設けられる。地上からの深さは最大で約90m。

計画では北品川非常口から等々力非常口までシールドマシンで掘進し、その後、北品川非常口から反対側の品川駅もシールドマシンで掘進する。北品川非常口は2019年12月に立坑本体が完成。東雪谷非常口と等々力非常口は掘削工事中だ。

10月14日から始まる調査掘進の範囲(青)。【画像:JR東海】

シールドマシンによる大深度地下トンネルの掘進では昨年2020年10月、東京外かく環状道路(外環)の東京都調布市内でのトンネル工事で地上の陥没が発生した。特殊な地盤やシールドマシンの土砂の取り込みすぎなどが原因とされている。JR東海はこれを受け、本格的な掘進の前段階として調査掘進を行うことにした。

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