博多~長崎のネット割「値上げ」西九州新幹線の開業で割引切符の新設や終了



JR九州は6月17日、西九州新幹線の開業(9月23日)に伴い発売する新しい割引切符の概要などを発表した。ネット予約限定の片道タイプやフリーパスタイプ、新幹線や観光列車を組み合わせた往復タイプ、定期券・回数券タイプの割引切符を設定する。

西九州新幹線「かもめ」に導入されるN700S。【撮影:草町義和】

「JR九州インターネット列車予約」限定発売の片道タイプは「かもねネットきっぷ」「かもめネット早特3」「おためし!かもめネット早特7」の3種類を新設する。

「かもねネットきっぷ」は博多~浦上・長崎や鹿児島中央~浦上・長崎などの区間に設定。利用当日でも予約できる。発売額は博多~長崎が4200円で、所定の運賃・料金(6050円)より1850円安い。一方、現在発売されている「九州ネットきっぷ」の博多~長崎(3150円)との比較では1050円の値上げだ。

「かもめネット早特3」は出発日の3日前までの予約が必要で、博多~浦上・長崎のみ設定。発売額は3600円で所定の運賃・料金より2450円安く、現行の「九州ネット早特3」(2550円)より1050円高い。

出発日の7日前までの予約が必要な「おためし!かもめネット早特7」は12月31日までの期間限定発売。博多~浦上・長崎の区間のみ設定され、発売額は3200円だ。所定の運賃・料金より2850円安く、現行の「九州ネット早特7」より860円高い。

「かもめネットきっぷ」などの発売区間や発売額。【画像:JR九州】

フリーパスタイプは「いい旅!西九州きっぷ」が設定される。西九州新幹線と長崎本線(佐賀以西)、佐世保線、大村線が2日間に限り自由に乗り降りできる。利用できる列車・座席は西九州新幹線・特急・快速・普通列車の普通車自由席。

発売期間は8月23日~12月28日で、設定期間は9月23日から2023年1月1日(2022年12月31日乗車開始分)まで。発売額は大人9230円・子供2490円で、子供用は大人用と同時に購入して大人と同じ行程で利用する場合に限り有効だ。出発日の3日前まで「JR九州インターネット列車予約」で購入できる。

「いい旅!西九州きっぷ」で利用できる区間。【画像:JR九州】

往復タイプの割引切符「かもめぐるりんきっぷ」は、在来線特急「リレーかもめ」と西九州新幹線「かもめ」、西九州エリアで新たに運行される観光列車「ふたつ星4047」を組み合わせて普通車指定席を利用できる。

発売期間は2022年8月23日~2023年3月31日で、設定期間は2022年9月23日から2023年4月2日(2日間有効の場合は4月1日)まで。有効期間や発売額は区間によって異なり、博多~長崎は3日間有効で9300円。みどりの窓口などで発売される。

「かもめぐるりんきっぷ」の発売区間や乗車列車、発売額。【画像:JR九州】

定期券タイプの「新幹線エクセルパス」は武雄温泉~長崎の各駅相互間で発売される。1カ月の場合、特急料金相当額は新大村~長崎が1万7400円で、武雄温泉~長崎は3万7480円。これに定期運賃が追加される。

通常の通勤・通学定期券と組み合わせることで西九州新幹線を利用できる「定期券専用新幹線特急料金回数券」は2022年12月31日有効開始分までの期間限定発売。新大村~長崎と諫早~長崎の区間に設定される。いずれも4枚つづり3200円で、1枚あたり800円。所定の料金(片道自由席)より70円安い。

このほか、西九州新幹線の開業に伴い、現行の「2枚きっぷ」(福岡市内~長崎と福岡市内~大村・竹松)と「九州ネットきっぷ」(長崎・浦上・諫早発着)、「九州ネット早特3」(博多~長崎)、「九州ネット早特7」(博多~長崎)は発売を終了する。

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