JR東日本の長野支社は来年2025年3月15日のダイヤ改正にあわせ、特急列車の輸送体系を見直す。大糸線では特急列車の乗り入れ区間を短縮する。

大糸線のJR東日本区間では現在、新宿発着の特急「あずさ5・46号」が松本~南小谷の全区間に乗り入れ。ほかに名古屋発着の特急「しなの」の臨時列車が松本~白馬に乗り入れており、臨時特急「はくば」も松本~白馬で設定されている。
ダイヤ改正後は新宿駅を8時ちょうどに発車する下り「あずさ5号」の大糸線への乗り入れ区間を松本→白馬に短縮。白馬駅で南小谷行き普通列車に連絡する。南小谷駅を15時ちょうどに発車する上り新宿行き「あずさ46号」は松本発に変更して大糸線への乗り入れを終了。一方で「あずさ38号」が白馬13時41分発で大糸線に乗り入れる。これにより白馬~南小谷は定期運行の特急列車がなくなる。
「はくば」は引き続き松本~白馬で臨時特急として設定。白馬~南小谷で「はくば」に連絡する臨時普通列車を設定する。
大糸線は松本~南小谷~糸魚川の105.4kmを結ぶJR線。長野県側で電化されている松本~南小谷105.4kmはJR東日本、新潟県側で非電化区間の南小谷~糸魚川35.3kmはJR西日本が運営している。1971年、特急「あずさ」が臨時で信濃大町駅まで乗り入れるようになり、1982年からは乗り入れ区間を南小谷駅まで拡大するとともに定期化した。
大糸線のJR東日本区間は輸送密度が1987年度の時点で5779人だったが、コロナ禍が本格化する前の2019年度は3077人に減少。昨年度2023年度は2825人だった。とくに白馬~南小谷の利用者が少なく、輸送密度は1987年度の1719人に対し2019年度は215人、2023年度は200人を割り込んで189人まで落ち込んでいる。2025年3月15日のダイヤ改正では「あずさ」の南小谷乗り入れ終了に加え、信濃大町~南小谷の普通列車も1往復分減便される。

長野県内のJR特急列車はこのほか、平日の朝晩を中心に篠ノ井線・信越本線の塩尻~長野で運行している臨時特急「信州」を全席指定席化。同時に塩尻~長野の特急「しなの」「信州」で在来線チケットレス特急券サービスを開始する。
塩尻~長野の指定席特急券(通常期)は0~50kmが1290円、51~100kmが1730円だが、在来線チケットレス特急券の割引サービス「トク割」を利用すると15~50%の割引になる。これに伴い、篠ノ井線特急料金回数券は2月15日までに発売を終了。利用期間も3月14日までになる。
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