西武新宿線・井荻~西武柳沢の高架化「2025年度にも着工」へ 車両基地どうなる



西武新宿線・井荻~西武柳沢の連続立体交差事業(連立事業)で来年度2025年度にも本格的な工事が始まる見通しになった。すでに準備工事が行われているほか、昨年2024年12月には沿線地域で用地補償の説明会を開催。東京都や西武鉄道などは今後、用地交渉がある程度進んだ時点で工事説明会を開催し、工事に着手するとみられる。

西武新宿線の上石神井駅に隣接する車両基地。【画像:fuku41/写真AC】

この連立事業は、井荻~西武柳沢5.6kmのうち杉並区上井草1丁目から練馬区を経て西東京市東伏見1丁目までの約5.1kmを高架化するもの。上井草・上石神井・武蔵関・東伏見の4駅を高架化するとともに19カ所の踏切を解消する。2021年11月の都市計画決定を経て2024年3月に都市計画事業の認可を受けた。

連立事業が実施される区間の平面図。【画像:東京都・杉並区・練馬区・西東京市・西武鉄道】
事業区間の縦断面図。19カ所の踏切を解消する。【画像:東京都・杉並区・練馬区・西東京市・西武鉄道】
高架部(左)と地上線~高架線の取付部(右)の横断面図。【画像:東京都・杉並区・練馬区・西東京市・西武鉄道】
上井草駅と上石神井駅の横断面図。【画像:東京都・杉並区・練馬区・西東京市・西武鉄道】
武蔵関駅と東伏見駅の横断面図。【画像:東京都・杉並区・練馬区・西東京市・西武鉄道】

上石神井駅に併設されている車両基地もあわせて高架化する。東京都によると、車両基地は事業費抑制などの観点から必要最小限の規模に縮小して高架化。地上部の車両基地跡地の利用方法は未定だが、西武鉄道が地元の練馬区と連携して「駅周辺の良好な発展」につながるよう検討するという。

上石神井駅と車両基地の高架化の範囲(薄赤)。車両基地は現在の規模より縮小する。
上石神井車両基地の横断面図。現在の地上の車両基地跡地の利用方法は未定。【画像:東京都・杉並区・練馬区・西東京市・西武鉄道】

高架脇に整備する道路を含めた事業費は事業認可時点で2660億円とされた。事業施行期間は2037年度末(2038年3月31日)までで、道路も含めた事業施行期間は2039年度末(2040年3月31日)までの予定。

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