北海道新幹線トンネル掘削率「9割」に 高架橋や軌道も工事進むが開業は早くて13年後



北海道新幹線・新函館北斗~札幌の工事は今年2026年1月1時点でトンネルの掘削率が9割に達した。地上区間の高架橋の工事も順次進んでいる。その一方、掘削が完了していないトンネルは工事が大幅に遅れており、開業は早くても13年後の見込みだ。

北海道新幹線の新函館北斗~札幌は全長約212kmで、このうち8割ほどの約169kmがトンネル区間。トンネル数は17本で40工区に分かれている。

北海道新幹線・新函館北斗~札幌のルートとトンネルの位置。【画像:鉄道・運輸機構】

建設主体の鉄道・運輸機構が公表した1月1日時点の工事状況によると、トンネルの掘削延長は約152kmで全体のほぼ9割。10本のトンネルで掘削が完了し、工区ベースでは25工区の掘削が完了した。掘削が完了していないトンネル7本の15工区は、ここ1カ月ほどでは10工区の工事がおおむね想定通り進んだ。一方、渡島トンネルの2工区(台場山・南鶉)と札樽トンネルの3工区(石倉・富丘・札幌)は想定を下回る進捗だった。

北海道新幹線・新函館北斗~札幌に設けられるトンネルの掘削率や工事状況(上=札幌寄り、下=新函館北斗寄り)。【画像:鉄道・運輸機構】

地質不良により工事が難航している渡島トンネルの台場山工区では、隣接する天狗工区側から台場山工区に向けて長尺ボーリング(610m、2025年3月24日~12月18日)を実施。途中で八雲層(頁岩)が出現すると想定していたが、実際は上磯層群(石灰岩)が継続して出現した。現在はボーリングコアの分析中だ。

渡島トンネルの台場山工区。【画像:鉄道・運輸機構】

巨大な岩塊の出現で掘進ペースが大幅に落ちている羊蹄トンネルの新函館北斗寄り工区(有島工区)では、5カ所で掘進に影響する可能性のある岩塊が確認されている。このうち1カ所目の岩塊を撤去し、2025年7月にシールドマシンが中間立坑に到達。現在はビット交換作業中だ。2カ所目の岩塊は地上からの撤去工事を2024年5月に開始。2025年6月から撤去範囲を拡大している。

有島工区終点の到達立坑近くにある5カ所目の岩塊は撤去作業が行われていたが、隣接する札幌寄り工区(比羅夫工区)のシールドマシン到達に備えた準備のため撤去作業を一端終了した。比羅夫工区でも掘進に影響する可能性がある岩塊が4カ所にあることが確認されており、このうち1カ所目の岩塊が撤去済みでシールドマシンも通過済みだ。

札樽トンネル札幌工区の札幌寄りでは2024年3月から札幌寄りの掘進を開始。2025年12月1日時点で約1550mの掘進を完了した。現在は掘進を停止して交換式先行ビットの引き抜き点検中。点検結果の摩耗量に応じてビットの交換も実施している。

札樽トンネル札幌工区のシールドマシン。【画像:鉄道・運輸機構】
札樽トンネルの掘進の様子。【画像:鉄道・運輸機構】

橋梁や高架橋は21工区(JR委託工事の札幌駅高架橋工区を含む)で着手。このうち新函館北斗駅近くの市渡高架橋他工区は工事が完了している。軌道工事は基準器設置の進捗率が13%。レールの搬入と一次溶接が一部で進められているという。

倶知安町内の岩尾別高架橋。【画像:鉄道・運輸機構】

北海道新幹線の新函館北斗~札幌は2012年に着手し、当初は2030年度末の完成・開業を予定していた。しかし渡島トンネルなど一部で工事が難航しており、完成・開業は早くても13年後の2038年度末ごろになる見込み。事業費も資材価格や労務費の上昇などで着工時点の予定だった1兆6700億円から2倍以上の3兆5000億円になる見込みだ。

《関連記事》
北海道新幹線の札幌延伸「当初計画の2倍」事業費さらに増大へ 鉄道・運輸機構が報告
北海道新幹線の札幌延伸「少なくとも8年延期」さらに遅延も 開業時期は依然不透明
北海道新幹線の延伸:新函館北斗~札幌(未来鉄道データベース)