秩父鉄道「石炭列車」JR貨物との連絡運輸を終了 トラック輸送に切替へ



秩父鉄道は1月14日、JR貨物との連絡運輸により三ヶ尻線で運行している石炭貨物輸送列車(石炭列車)について、本年度2019年度限りで運行を終了すると発表した。石炭輸送はトラックに切り替えられる。

石炭列車で使われている石炭輸送専用貨車のホキ10000形。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

三ヶ尻線は、秩父鉄道秩父本線の武川駅(埼玉県深谷市)から三ヶ尻駅(熊谷市)を経由してJR高崎線の熊谷貨物ターミナル(熊谷市)に至る7.6kmの貨物線。

石炭列車は、JR鶴見線の扇町駅(川崎市川崎区)から熊谷貨物ターミナル駅を経由して三ヶ尻駅まで運転。扇町~熊谷貨物ターミナル間はJR貨物、熊谷貨物ターミナル~三ヶ尻間は秩父鉄道が運転しており、太平洋セメント熊谷工場(三ヶ尻駅に隣接)でセメントの生成燃料として使われる石炭を運ぶ。

太平洋セメントは生活廃棄物などをセメント生成の燃料として活用することで、石炭の使用量を削減する環境対策に取り組んでいることから、石炭列車の今後の去就が注目され、JR貨物は3月14日のダイヤ改正までに運行を終了する方針を固めていたことが1月10日までに明らかになっていた。

太平洋セメントの広報グループは取材に対し「石炭列車の運行終了は石炭使用量の削減の取り組みとは関係ない。貨車の老朽化など総合的な判断に基づき、トラック輸送に切り替えることにした」と話した。

石炭列車で使われている石炭専用貨車のホキ10000形は、JR貨物ではなく太平洋セメントが所有。一番新しいものでも1981年の製造から40年近く経過しており、車両の更新も課題になっていたという。この石炭列車の運行が終了すると、日本国内から鉄道を使った石炭輸送が完全に消滅する。

秩父鉄道ではセメント原料の石灰石を運ぶ貨物列車も運転されている。【撮影:草町義和】

秩父鉄道ではこのほか、秩父本線の影森駅や武州原谷駅(両駅とも秩父市)から三ヶ尻駅に隣接する太平洋セメント熊谷工場へ、セメント原料の石灰石を運ぶ貨物列車を運行。こちらは石炭列車の運転終了後も引き続き運転される。

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