京都・叡山電鉄を走る岩手・三陸鉄道の車両、運転期間を9月まで延長



叡山電鉄(京都市左京区)は3月10日、「三陸鉄道カラー」車両の運転期間を当初の予定より半年延長すると発表した。

三陸鉄道の車両のデザインで装飾された叡山電鉄の712号。【画像:叡山電鉄】

「三陸鉄道カラー」は、叡山電鉄700系電車1両(712号)の車体に三陸鉄道(岩手県)の車両と同じデザインを施したもの。昨年2019年3月に運転を開始し、当初は今年2020年3月までの予定で運転していたが、このほど延長して9月30日まで運転することが決まった。

三陸鉄道は、岩手県の太平洋沿いのローカル線を運営する第三セクター。当初は盛~釜石間36.6kmの南リアス線と、宮古~久慈間71.0kmの北リアス線を運営していた。2011年に発生した東日本大震災の影響で線路が流失するなど甚大な被害が発生したが、2014年までに全線の運転を再開している。

その後、同様に東日本大震災で甚大な被害が発生したJR山田線・宮古~釜石間55.4kmの運営を引き継ぐことになり、昨年2019年3月に三陸鉄道の手により運転を再開。南北リアス線と山田線を一体化したリアス線に生まれ変わった。同年10月には台風19号の影響で再び甚大な被害が発生し、一部の区間が運休。今年2020年3月20日には全線の運転を再開する予定だ。

叡山電鉄によると、2009年に行われた同社のイベントで三陸鉄道が協力。2013年以降、フォトコンテストなどのイベントを通じて連携を深めてきた。2018年の台風21号で叡山電鉄が被害を受けた際は、三陸鉄道の社長が叡山電鉄を激励に訪れたという。

三陸鉄道の36-700形気動車。車体のデザインは1984年の開業時に導入された36-100形気動車とほぼ同じだ。【撮影:草町義和】