北九州モノレールを運営する北九州高速鉄道は、今後の保安システムの更新に際して無線式列車制御システム(CBTC)を導入することを決めた。実現すれば、日本のモノレールとしては初の導入になるとみられる。
北九州モノレールはまもなく開業40周年を迎える。北九州高速鉄道は昨年2024年12月16日、開業40周年記念イベントの概要の発表にあわせてCBTCの導入方針を明らかにした。それによると、北九州モノレールは老朽化に伴う本格的な設備更新の時期に差し掛かっており、コスト・技術面のバランスを考慮した更新方法を検討。こうしたなか、CBTCの安全評価を終えたことから導入を決めたという。導入時期は明らかにしていない。
北九州モノレールの現在の保安システムは自動列車制御装置(ATC)。有線の電気信号で列車の運行を制御している。これに対しCBTCは無線通信の情報信号で列車制御を行う。北九州高速鉄道によると、CBTCの導入で設備のスリム化やメンテナンス費用の削減が図られるほか、いまより効率的な列車の運行が可能になり、所要時間の短縮が期待できるという。
日本の鉄道では東京メトロがCBTCを丸ノ内線に導入し、2024年12月から使用を開始した。JR東日本もCBTCと同様に無線通信を使用する保安システム「ATACS」を開発。2011年から仙石線(宮城県)などに導入している。
北九州モノレールは1985年1月9日に小倉(現在の平和通)~企救丘8.4kmが開業。1998年には0.4km延伸して小倉駅ビルに乗り入れた。
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