いすみ線(千葉県)を運営するいすみ鉄道は4月14日、キハ52形気動車(キハ52 152)の営業運転を終了すると発表した。いすみ線が全線運休中のため営業運転の「ラストラン」は行われないが、4月から5月にかけ「ありがとうキハ52 125 営業運転終了記念イベント」が大多喜駅で開催される。

イベント開催日は4月27日と5月10・11日の計3日で時間は9時30分から16時30分まで。キハ52 125をエンジン稼働状態で展示するほか、大多喜駅の構内線を往復する乗車体験を実施する。ほかにグッズ販売やヘッドマークの展示なども行われる。
乗車体験は11時からと13時30分からの2回。乗車には当日会場内で発売する体験乗車記念券(大人1000円、同伴の小学生以下2人は無料)を購入する必要がある。各回40人限定で先着順。
キハ52 125は国鉄の普通列車用の気動車で1965年に製造。1987年の国鉄分割民営化でJR西日本が引き継いだ。北陸エリアの越美北線や大糸線などで運用されたが2010年に引退。いすみ鉄道が譲り受け、2011年から国鉄車両の雰囲気を残すレトロ観光列車として営業運行を開始した。

昨年2024年3月のダイヤ改正にあわせて定期的な運行を終了。その後は臨時列車や貸切列車のみ運行する体制に変わったが、同年10月には別の車両で運行されていた営業列車の脱線事故が発生。現在もいすみ線全線が運休中でキハ52 125も運行できない状態になっていた。
いすみ鉄道によると、キハ52 125は鉄道車両の法定検査のうち8年ごとに実施する検査(全般検査)の期限を迎えることになったが、「車両の老朽化が顕著なこと、交換部品の調達困難や検査費用が高額」として全般検査を実施せず営業運転を終了することにしたという。
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