横浜「海軍道路」拡幅に向け仮設バイパス道の使用開始 もとは鉄道の廃線跡



横浜市は12月18日の14時ごろ、環状4号線(海軍道路)の一部を仮設のバイパス道路に切り替える。旧上瀬谷通信施設地区の土地区画整理事業による海軍道路拡幅工事の一環。

かつて海軍補給工場の専用線だった「海軍道路」こと環状4号線。【撮影:草町義和】

バイパス道路に切り替えられるのは、海軍道路の中瀬谷消防出張所交差点~目黒交番前交差点の一部。上瀬谷通信施設の跡地がある海軍道路の東側に整備したバイパス道路に切り替える。バイパス道路は上瀬谷通信施設跡地で開催される横浜国際園芸博覧会(横浜花博)の開催期間中(2027年)も使用する。

この切替にあわせて海軍道路は使用を中止し、拡幅工事に着手。現在の片側1車線から片側2車線に増強する。使用開始は2031年ごろの見込みで、これに伴いバイパス道路を廃止する計画だ。

海軍道路の切替前(左)と切替後(右)。【画像:横浜市】

海軍道路は相鉄本線の瀬谷駅と上瀬谷地区を結んでいた鉄道線路の跡地を活用して整備された道路。戦時中の上瀬谷には旧海軍の補給工場があり、物資搬入のため専用線が整備された。

1947年の瀬谷~上瀬谷の地域。瀬谷駅から上瀬谷に延びていた専用線が現在の海軍道路になる。【画像:米軍/国土地理院】

戦後、上瀬谷の補給工場は米軍が接収して通信施設に。専用線も道路に変わり、海軍施設があったことにちなんで海軍道路と呼ばれるようになった。

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