オーストリア連邦鉄道(ÖBB=オーストリア国鉄)は11月28日、ゼメリングベーストンネルの掘削が完了したと発表した。

ゼメリングベーストンネルはグログニッツ(ニーダーエスターライヒ州)からゼメリング峠の下を通ってミュルツツーシュラーク(シュタイアーマルク州)を結ぶトンネル。既存の並行路線に多い急勾配や急カーブを解消し、オーストリアの首都ウィーンからグラーツやクラーゲンフルトなどオーストリア南部地域への短絡ルートになる。


単線トンネル2本の構成で運行速度は250km/h。長さは約27kmで、日本の東北新幹線・七戸十和田~新青森の八甲田トンネル(約26km)に相当する。



工事は2012年から始まり、12年で掘削が完了したことになる。トンネルの内壁はほぼ半分が完成しており、今後は内壁構築工事を経て線路の敷設などが行われる。使用開始は2030年の予定。ウィーンからオーストリア南部グラーツまでの所要時間は最短で2時間半だが、ゼメリングベーストンネルが完成すると2時間に短縮される。
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