ひたちなか海浜鉄道の延伸「事業着手」に向け工事施行認可 6年後にも一部開業へ



ひたちなか海浜鉄道は11月18日、湊線の延伸区間の工事施行認可を取得した。来年度2025年度から事業に着手し、早ければ6年後、2030年の一部開業を目指す。

新駅1駅の予定地とみられる場所。海浜公園の南口ゲート付近に湊線の列車(右上)が乗り入れる。【撮影:草町義和、加工:鉄道プレスネット】

茨城県ひたちなか市とひたちなか海浜鉄道の2者によると、認可されたのは阿字ケ浦駅から新駅1駅(仮称)まで1.4kmの第1工区。新駅1駅は国営ひたち海浜公園の南口ゲート付近に設けられる。事業期間は2025年度~2029年度の5年間で、事業費は59億2300万円。

建設に際しては国の支援を受けるため、2者は「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」(地方公共交通法)に基づく鉄道事業再構築実施計画を策定する考え。実施計画の認定を経て、2025年度は用地測量や詳細設計を行うという。

ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸区間の位置。阿字ケ浦~新駅1の区間(赤)が今回認可された。【画像:ひたちなか市・ひたちなか海浜鉄道】

2者は海浜公園のアクセス強化を図るため湊線の延伸を計画。ひたちなか海浜鉄道は2021年1月、阿字ケ浦駅から海浜公園西口ゲート付近の新駅2駅(仮称)まで3.1kmの第1種鉄道事業許可を取得した。しかしコロナ禍や物価高騰などの影響を受け、事業着手のめどが立たなかった。

このため、新駅1駅の位置を海浜公園の南口ゲート付近に変更したうえで、阿字ケ浦~新駅1を第1工区として先行整備する方針に転換。今年2024年3月には新駅1駅の位置変更を含む事業基本計画の変更認可を取得し、第1工区の工事施行認可を申請していた。

海浜公園の西口ゲートに近い新駅2駅の予定地。第2工区の事業着手は2029年度末に工事施行認可の申請期限を迎えるころまでに判断される。【撮影:草町義和】

残る新駅1~新駅2の1.7kmは第2工区とし、3月に工事施行認可申請期限の延長が許可された。新たな申請期限は2029年度末(2030年3月31日)。2者は申請期限を迎えるころまでに第2工区の事業に着手するかどうか判断する方針だ。

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