京阪大津線で「びわこ色」列車を運転 運行終了50周年、記念ヘッドマークや撮影会も



京阪電気鉄道(京阪電鉄)は8月17日、「びわこ号」の運行終了50周年を記念し、9月14日から大津線で「びわこ号色塗装」の列車を運転すると発表した。記念ヘッドマークの掲出や記念フリー切符の販売、車両展示撮影会なども行う。

保存されている京阪60形「びわこ号」。【画像:京阪電鉄】

「びわこ号色塗装」の列車は600形電車の2両編成1本(603+604編成)を使用。9月14日から約4年間、大津線を構成する路線のうち石山坂本線・石山寺~坂本比叡山口間で運転する。記念ヘッドマークは9月14日から来年2021年3月31日まで掲出する予定。

運転開始に先立つ今年2020年9月13日には、錦織車庫で、「びわこ号色塗装撮影会・鉄道部品販売会」が行われる。開催時間(受付から終了まで)は午前の部が9時30分~11時40分、午後の部が12時30分~14時40分。参加費は3000円で、京阪電鉄のネットショップ「e-kenetマーケット」で申込を受け付ける。申込期間は8時19分の9時から8月30日まで。定員は各回30人で、定員に達し次第、受付を終了する。

また、9月13日から来年2021年3月31日まで、びわこ浜大津駅で「京阪電車 びわこ号色塗装記念大津線フリーチケット」を発売。1日だけ大津線(石山坂本線・京津線)を自由に乗り降りできる。発売額は1400円(700円2枚セット)。

「びわこ号色塗装」列車で使われる京阪600形の603+604編成(旧塗装の頃)。【撮影:草町義和】
記念ヘッドマーク(左)と「びわこ号色塗装記念 大津線フリーチケット」(右)のイメージ。【画像:京阪電鉄】

「びわこ号」は1934年に運転を開始した特急列車。現在の京阪本線と大津線を直通して大阪市内の天満橋駅と大津市内の浜大津駅(現在のびわこ浜大津駅)を結んだ。

大津線は勾配やカーブがきつく、車体の幅も小さかったことから、京阪本線の車両がそのまま大津線に乗り入れることができず、「びわこ号」専用車両の60形電車が開発された。大津線の規格にあわせた小型の車体を採用。また、日本の鉄道車両では初めて連接構造を採用したのが特徴だった。

戦時中の一時期を除いて運転され続けたが、京阪本線の輸送力強化に伴い小型の60形を京阪本線で運用するのは困難になり、1961年に直通運転を終了。その後は1970年まで大津線内で運転された。

その後、京阪本線の地下化と京都市営地下鉄東西線の開業に伴う京津線の一部廃止で、現在は京阪本線と大津線の線路自体が接続していない。60形は2車体連接構造の3両が製造され、このうち1両(62号)が寝屋川車庫で保存されている。