肥薩おれんじ鉄道の運賃値上げ「認可」初乗り200円超え、学期定期券を新設



国土交通省の九州運輸局長は9月27日、肥薩おれんじ鉄道が申請していた旅客運賃上限変更を認可した。これを受けて肥薩おれんじ鉄道線(熊本県・鹿児島県)の運賃が10月1日に値上げされる。改定率は18.5%。

肥薩おれんじ鉄道の列車。【画像:ちゃのぶえ/写真AC】

普通旅客運賃は初乗りが現行190円のところ40円値上げし、200円を超えて230円に。八代~川内の全線116.9kmでは現行2670円から140円値上げされて2810円になる。定期旅客運賃は八代~海浦26.7kmの場合、1カ月で通勤が6890円値上げの3万30円に。通学は3730円値上げの1万4990円になる。

普通旅客運賃の改定後の金額。【画像:肥薩おれんじ鉄道】

このほか、学期定期旅客運賃を新設。有効期間を学校の学期にあわせたもので、1学期は4月1日~7月31日の102~104日間、2学期は8月1日~12月31日の117~119日間、3学期は1月1~3月31日の75~77日になる。1学期と2学期は3カ月の割引率を適用。3学期は1カ月の割引率を適用する。阿久根~川内30.7kmの学期定期旅客運賃の場合、1学期(102日有効)は4万9750円で2学期(117日有効)が5万7060円、3学期(75日有効)が3万8050円。

国土交通省によると、肥薩おれんじ鉄道の鉄道事業の収支は昨年度2023年度の実績が15億8686万1000円の収入に対し24億6599万6000円の費用がかかり、8億7913万5000円の赤字。本年度2024年度も7億4453万5000円の赤字が見込まれる。一方、2025~2027年度の3年間合計の推計では、現行運賃のままなら23億3181万3000円の赤字に対し、運賃を改定した場合は21億5967万7000円の赤字で、赤字額が2億円近く縮小するという。

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