小田急電鉄は11月17日、引退した「白いロマンスカー」こと50000形電車「VSE」を同社の鉄道博物館「ロマンスカーミュージアム」で展示すると発表した。

展示するのは「VSE」2編成のうち第50001編成の展望車1両(50001号車)。ロマンスカーミュージアム内のロマンスカーギャラリーで展示されている10000形電車「HiSE」と20000形電車「RSE」のあいだに設置する。
車内を歩きながら見学できるルートを設定。車両の横に新設する階段を上がって展望席付近にある非常ドアから乗車し、車両連結部にある車掌室を通り抜けて降車する形だ。小田急電鉄は「VSEならではの高いドーム型の天井や、沿線風景を楽しめるように角度を付けて設置した座席など、その特長を間近にご覧いただけます」とアピールしている。
このほか、日付限定の体験型イベントを実施することも検討中。電動はしごを展開して運転室に入ったり、車掌室でドア開閉やアナウンスを体験したりするプランが考えられている。
展示開始は来年2026年3月下旬の予定。小田急電鉄は50001号車の搬入や館内整備のためロマンスカーミュージアムを2月下旬から3月下旬まで休館する。50001号車の除く第50001編成の車両は解体する。

「VSE」は2005年に第50001編成と第50002編成の10両2編成がデビューした。小田急の特急ロマンスカーは1987年デビューの「HiSE」まで前面展望席と連接台車を採用し、1996年デビューの30000形電車「EXE」は通勤輸送を考慮して前面展望席を設けず、台車も一般的な鉄道車両と同じ2軸ボギーを採用。しかし「VSE」は観光輸送の強化などのため再び前面展望席・連接台車を採用した。車体の塗装は白をベースに赤い帯で装飾したのが特徴だ。
2022年3月に定期運行を終了し、イベント等の臨時列車の運行も2023年12月に終了。その後、第50001編成と第50002編成は動かせる状態で保存されていた。
小田急電鉄は「今般、50001編成の展望車についてはロマンスカーミュージアムでの展示を決定しましたが、50002編成も同様に、たくさんの思い出が詰まっている車両と考えています」「お客さまの声を大切にしながら、VSEの軌跡を楽しんでいただけるような企画の検討を行いたいと考えます」とし、第50002編成も何らかの形で活用する可能性を示唆した。
《関連記事》
・小田急の新型ロマンスカー「形式名」「台車方式」など発表 展望席付き、座席は複数種別
・「アレグラ」じゃないけど「赤い色の小田急1000形」箱根登山線で3年ぶり復活
・小田急多摩線の延伸:唐木田~上溝~愛川・厚木方面(未来鉄道データベース)
