とさでん交通「運賃改定」路面電車は20~30円値上げ、乗継ポイントは拡充と廃止



とさでん交通は7月31日、国土交通省の四国運輸局長に軌道事業の旅客運賃上限変更認可を申請した。認可された場合、とさでん交通は11月1日に路面電車の運賃を改定する。

とさでん交通の路面電車。【画像:warehouse/写真AC】

普通旅客運賃の上限は市内均一運賃が現行200円のところ30円値上げの230円。それ以外の区間(130~480円)は各区間20円値上げする。高知駅前~桟橋通五丁目は現行200円が230円に値上げされ、後免町~長崎は現行130円が150円に値上げ。後免町~井野は現行480円が500円になる。

定期運賃は各区間の改定後の普通旅客運賃を基本に所定の算定式により算出する。普通旅客運賃が現行200円、改定後230円の区間の場合、1カ月では通勤定期が現行7310円のところ1250円値上げの8560円に。通学定期は1070円値上げの7180円になる。

同時に路線バスの運賃改定も申請した。改定予定日は路面電車と同じ11月1日。普通旅客運賃の上限は初乗り運賃が現行140・150円のところ10~20円値上げして160円に統一し、市内均一運賃は現行200円のところ40円値上げして240円になる。

このほか、乗継割引ポイントの拡充や廃止も計画している。電車~バスの乗り継ぎの場合、高知駅・美術館・伊野駅・後免の各ポイントについて現行30円の割引のところ100円の割引に引き上げ。朝倉と桟橋の乗継割引ポイントを新設(100円)する。バス~バスの乗り継ぎも一宮のポイントを現行30円のところ100円に引き上げるが、宗安寺分岐・中秦泉寺・長浜のポイントは廃止する。

とさでん交通は値上げについて「物価高および人材確保、処遇改善に係る経費等の増加に対応し、今後も持続可能な公共交通と輸送の安全を確保するため」としている。

土佐電鉄時代の路面電車(2006年)。【撮影:草町義和】

とさでん交通は公共交通の経営改善のため、高知県と同県内の市町村が出資して2014年に設立。土佐電鉄や高知県交通の路面電車・バスを引き継いだ。

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