富山県は1月19日、黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放・旅行商品化について、旅行商品の販売開始を延期すると発表した。同ルートへのアクセス路線になる黒部峡谷鉄道の橋梁が損傷したため。
黒部峡谷鉄道は毎年4月から11月にかけてトロッコ列車を運行しており、現在は冬季運休中。1月1日の能登半島地震で沿線の東鐘釣山から落石があり、鐘釣駅近くの鐘釣橋の橋桁や枕木が損傷した。
富山県によると、この影響で黒部峡谷鉄道の全線開通時期が不明なことから、1月29日に予定していた旅行商品の販売開始を延期することにしたという。同県は黒部峡谷鉄道の全線開通時期の発表後、すみやかに販売を開始する予定としている。
黒部宇奈月キャニオンルートは黒部峡谷鉄道の欅平駅と黒部ダムを結ぶ関西電力の物資輸送ルート(黒部ルート)を、旅行商品の購入を条件に一般開放するもの。6月30日からの一般開放・旅行商品化の開始が予定されている。
富山県はこれまでどおり6月30日の開始を予定しているとしつつ、黒部峡谷鉄道の全線開通時期に応じて開始日を延期するかどうか判断するとしている。
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