黒部峡谷鉄道の橋梁「損傷」能登半島地震で落石、黒部ルートの一般開放にも影響か



黒部峡谷鉄道(富山県)は1月9日、黒部川をまたぐ橋梁が損傷したと発表した。春からの営業再開などに影響する可能性がある。

黒部川と黒部峡谷鉄道のトロッコ列車。【画像:ジョーナカ/写真AC】

損傷したのは鐘釣橋。宇奈月駅から約14km、標高426mの地点で、長さは約86mある。黒部峡谷鉄道によると、宇奈月寄り30号トンネルスノーシェッドの出口から約10mのところで橋桁や枕木などが損傷しているのを1月5日までに確認した。1月1日に発生した能登半島地震の影響で、付近にある東鐘釣山から落石が発生。これが損傷の原因という。同社は今後、詳細な調査を進める予定としている。

黒部峡谷鉄道(黒太線)と鐘釣橋の位置。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

黒部峡谷鉄道は黒部川沿いに宇奈月~欅平の20.1kmを結ぶ山岳鉄道路線を運営。黒部ダムの資材運搬列車や観光客向けのトロッコ列車を運行している。トロッコ列車は通常、4月から11月まで運行しており、現在は冬季運休中だ。

昨年2023年12月に発表された今年2024年の営業計画によると、4月20日から一部区間で営業運転を再開し、5月10日までに全線の営業運転を再開する予定。黒部峡谷鉄道は鐘釣橋の損傷が営業運転の再開時期に影響があるかどうか、明らかにしていない。

欅平駅から黒部ダムまでの物資輸送ルート(黒部ルート)は、6月30日から「黒部宇奈月キャニオンルート」として旅行商品による一般開放が行われる予定。黒部峡谷鉄道の営業再開が遅れれば、黒部宇奈月キャニオンルートの実施時期にも影響する可能性がありそうだ。

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