富山駅の路面電車「南北接続」体験 開業に先立ちイベント



富山ライトレールと富山市は2月9日、富山駅で「南北接続まで“ついに1か月前”記念!一足早い南北接続体験会」を実施する。

富山駅北停留場に停車している富山港線の電車「ポートラム」。奥にあるJR駅(現在は高架化)をくぐり抜けて南側の富山軌道線に接続する。【撮影:草町義和】

富山駅の高架下には、駅の南側を走る富山地方鉄道(富山地鉄)の路面電車(富山軌道線)が乗り入れており、3月21日には駅の北側を走る富山ライトレールの富山港線も乗り入れて「南北接続」が図られる予定。体験会では開業前の新停留場に富山ライトレールの電車「ポートラム」が入線し、運転席から新停留場の風景を参加者に見てもらう。

当日は全4回の開催で1回あたり45分程度。参加費は100円。各回15人の参加者を募集しており、応募は郵便往復はがき、ファクス、電子メールで受け付けている。締切は1月28日(必着)。

■廃止検討から一転存続、南北接続へ

富山駅はかつてJRの北陸本線(現在のあいの風とやま鉄道線)が東西に延び、同駅からJR富山港線が北へ延びていた。富山駅とその前後のJR線を高架化する連続立体交差事業の構想が浮上した際、全線の高架化はコストがかかることから、一時は利用者の少ない富山港線の廃止が考えられた。

しかし、最終的には富山港線を「次世代型路面電車」の軽量軌道交通(LRT)に転換して存続することが決定。駅の高架化によって高架下を通り抜けできるようになることから、北の富山港線と南の富山軌道線を接続させることが考えられるようになった。

南北接続事業の平面図。【画像:富山市】

富山港線は第三セクターの富山ライトレールが引き継ぎ、2006年に同社の路線として再スタート。富山駅付近のルートは道路を通る併用軌道に変わり、富山駅の北側に富山駅北停留場を新設した。

2015年には南北接続の第1期区間として、富山軌道線が北陸新幹線の高架下に富山駅停留場を新設して乗り入れ。JR在来線の高架化は2019年3月に完了し、その後は第2期区間として富山港線の高架下乗り入れ工事と富山軌道線への接続工事が進められてきた。

高架下に設置された富山軌道線の富山駅停留場。【撮影:草町義和】

今年2020年2月22日には、富山地鉄が富山ライトレールを吸収合併して経営が一体化される予定。3月21日には富山軌道線の富山駅停留場を拡張する形で新しい停留場が開業し、富山港線が乗り入れて富山軌道線と一体化する。これに伴い富山駅北停留場は廃止される。