JR西日本は10月17日、鉄道車両の車内で使用する「防刃傘」を開発したと発表した。傘の形状をした護身用具。近畿圏内を走る列車に搭載する。
JR西日本によると、防刃傘の生地は刃物で切れにくい特殊な布を使用。刃物を所持した人物と一定の距離を確保するため柄を長くした。一般的な傘に比べフレームの本数を増やし、柄も太くして構造を強化している。アクリルの盾に比べて軽く、非力な人でも扱いやすいという。
JR西日本では昨年2023年7月、関西空港線の列車内で乗客が刃物で切りつけられる事件が発生している。同社は車内で刃物を持った暴徒に対し、防刃傘を広げることで暴徒の動きを封じ、乗客が避難する時間を捻出するとしている。
傘を武器や護身用具として使うアイデアは古くからあり、映画やテレビドラマなどでも傘を使って攻撃したり、敵の攻撃を傘でかわしたりするシーンがよく見られる。特撮ドラマ『ウルトラマンレオ』(1974~1975年)では傘型の防御武器として登場した。
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