伊予鉄道は2月1日、人手不足のため運休中の「坊っちゃん列車」について、3月20日から運行を再開すると発表した。
「坊っちゃん列車」は松山市内の路面電車線(松山市内線)で運行されている観光列車。蒸気機関車を模したディーゼル機関車が小型の客車を牽引して松山市内を巡る。列車名は夏目漱石の小説『坊っちゃん』に登場する、昔の伊予鉄道の「マッチ箱のような汽車」にちなんでいる。
伊予鉄道は昨年2023年11月、「電車・バスの深刻な運転士不足および2024年問題」に対応するとしてダイヤ改正を実施。郊外線と市内線の列車を減便したほか、「坊っちゃん列車」も再開時期のめどを示さずに運行を休止した。
伊予鉄道によると、労使交渉の前倒しによる1月昇給や採用活動の強化を図った結果、「人手が完全に充足したわけではないものの、運行可能な乗務員の確保に目処が付きつつある」とし、運行の再開を決めたという。
一方で伊予鉄道は「持続可能な『坊っちゃん列車』のあり方については、今後も引き続き、松山市や関係者の皆様と協議を続けて参ります」としており、今後は運行に際して公的支援を受けられるかどうかが焦点になりそうだ。
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