近江鉄道「西武2000系」導入へ 初の譲渡、貨物列車扱いで輸送



西武鉄道の2000系電車が近江鉄道(滋賀県)の車庫に搬入された。10月21日、近江鉄道がSNS「Instagram」で搬入時の写真を公表した。

それによると、2000系は貨物列車扱い(甲種輸送)で東海道本線の彦根駅に到着。写真ではJR貨物のDE10形ディーゼル機関車に牽引された、4両(2両2編成)の2000系の姿が見える。東海道本線と近江鉄道線をつなぐ線路を通り、近江鉄道100形電車の第102編成に牽引されて彦根車庫に入った。今後、デビューに向けて近江鉄道仕様に改造するという。

近江鉄道がInstagramで公表した2000系の甲種輸送の様子。

近江鉄道線は上下分離方式が導入されたため、2000系は第3種鉄道事業者の近江鉄道線管理機構が保有し、第2種鉄道事業者の近江鉄道が管理機構から2000系を借り入れて運用する形になるとみられる。

西武鉄道の2000系は400両以上が製造された通勤電車。1977年から製造された旧2000系と1988年以降に製造されたイメージチェンジ車(新2000系)がある。各駅停車列車の乗降時間を短縮するため、西武の通勤電車としては初めて片側のドア数を4カ所にした。

1986年に発生した衝突事故で8両が廃車になったほか、2015年度からは老朽化に伴い順次廃車されている。他社への譲渡は今回の近江鉄道が初めてだ。

西武新宿線を走る2000系。【撮影:草町義和】
現在の近江鉄道の旅客車両は西武鉄道からの譲受車で統一されている。写真は新101系譲受車の100形。【撮影:草町義和】

近江鉄道の旅客営業用の車両は現在、すべて西武鉄道から譲り受けて改造した車両に統一されており、もと401系電車の800・820形電車、もと新101系電車の100・900形電車、もと3000系の300形電車が運用されている。

※追記(2024年10月22日9時00分):一部修正しました(今回譲り受けた2000系はVVVF車ではなく、VVVF化するかどうかも現時点では不明です。おわびして訂正いたします)。

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