国鉄「マヤ34形」65年の歴史に幕 走りながら線路をチェックする高速軌道検測車



JR九州が運用していた事業用客車で高速軌道検測車「マヤ34形」が引退した。これによりマヤ34形はすべて引退。65年の歴史に幕を閉じた。

羽越本線の普通列車に連結されたマヤ34形(1987年)。【撮影:草町義和】

JR九州のマヤ34形は1978年度に製造されたマヤ34 2009。新しい多機能検測車両「BIG EYE」(BE220-1)の導入に伴い検測車としての任を解かれ、検測装置が一部取り外された。その後、DE10形ディーゼル機関車2両と50系客車3両、マヤ34 2009で構成される引退記念のツアー列車が9月25日に運転された。

マヤ34形は線路のゆがみをチェックする高速軌道検測車として開発され、国鉄時代の1959年から1981年にかけ10両が製造された。線路のチェックはそれまで作業員が現地を訪ねて行うのが普通だったが、マヤ34形の導入で走りながらチェックを行うことが可能になった。

1987年の国鉄分割民営化時点では1959年に製造されたマヤ34 2501(旧番号:マヤ34 1)を除く9両がJR旅客6社に引き継ぎがれた。老朽化に伴い新型の検測車が開発され、2004年にはJR東日本が保有していたマヤ34 2002・2003の2両が廃車に。ほかのマヤ34形も順次引退し、2019年の時点で運用していたのはJR九州の1社だけになっていた。

JR東日本が引き継いだマヤ34 2002(1987年)。2004年に廃車されている。【撮影:草町義和】
車体側面の上に「高速軌道試験車」の文字。中央部には「連結注意」のサボが掲出されている(1987年)。【撮影:草町義和】
最後まで運用されたのはJR九州のマヤ34 2009(中央)だった。【画像:ninochan555/写真AC】

JR九州は九州新幹線では旅客営業用の車両に検測装置を搭載して線路や電気関係のチェックを行っている。JR東海・JR西日本の東海道・山陽新幹線では電気軌道総合試験車の923形電車「ドクターイエロー」の引退が決まっており、こちらも営業用の車両に検測機器を搭載することで「ドクターイエロー」の代替とする計画。今後は検測専用の事業用車が減りそうだ。

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