イラク縦断鉄道「設計完了」全長1200km、トルコ接続 スエズ運河に対抗



イラクを縦断する鉄道・道路プロジェクトのうち鉄道の設計作業が完了した。9月16日から17日にかけ、トルコのメディア『トルコ・トゥデイ』やイラクのメディア『イラク・ニュース』などが報じた。

トルコの鉄道。【撮影:草町義和】

このプロジェクトは、イラク南部のペルシャ湾岸で建設中の新アル・ファオ港からバスラ、バグダッド、モスルを経由し、トルコ国境に近いイラク北部のフィシュカブールに至る全長約1200kmの鉄道と道路を整備するもの。このうち鉄道はトルコの鉄道網に接続し、欧州への直通ルートを構築する。

4月にイラク・トルコ・カタール・アラブ首長国連邦(UAE)の4カ国が覚書に調印し、5月にイラクが計画を発表していた。総工費は約170億ドル。イラクは戦争で疲弊した国内経済の再建に加え、エジプトのスエズ運河に対抗する物流ルートの整備を目指す。

イラクを縦断する鉄道プロジェクトのルート。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

イラクの鉄道はかつてシリアを経由してトルコに接続するルートがあったが、戦争などの影響で寸断されている。

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