JR東日本「部材確保できた」ホームドア整備駅を大幅追加 風が抜ける改良型も導入



JR東日本は本年度2024年度のホームドア整備駅を大幅に増やすことを決めた。8月20日、追加でホームドアを整備する駅を発表した。一部の駅には風が抜ける構造の改良型ホームドアを導入する。

2024年度のホームドア整備駅に追加された南武線の矢向駅。【撮影:草町義和】

JR東日本は今年2024年3月、2024年度に12駅26番線にホームドアを整備すると発表していた。しかし「ホームドアに使用する部材の確保ができた」とし、追加で15駅29番線の整備を進める。追加分の15駅のうち13駅は南武線で、これにより同線は2024年度のホームドア整備駅が合計19駅39番線に拡大する。

ホームドアの方式は一部を除き軽量型のスマートホームドアを採用。南武線の登戸駅(2番線)と分倍河原駅(1・2番線)では新方式の「スリットフレームホームドア」を採用する。

スリットフレームホームドアは従来型ホームドアとの互換性を持たせつつ、扉や戸袋をスリット化することで風が抜ける構造としたもの。ホームドア支持部の風圧影響を従来型から4割ほど軽減し、これによりホームの補強工事など設置工事の簡素化が期待できるという。

スリットフレームホームドアのイメージ。【画像:JR東日本】
各方式のホームドアの比較。【画像:JR東日本】

2024年度のホームドア整備駅は次の通り(「★」は追加整備分)。

●京浜東北線
鶯谷駅:スマートホームドア

●常磐線(各駅停車)
松戸駅(4~6番線):従来型ホームドア
我孫子駅(6~8番線):スマートホームドア

●中央・総武線(各駅停車)
新小岩駅(1・2番線):スマートホームドア
本八幡駅(1・2番線):スマートホームドア
御茶ノ水駅(2・3番線):従来型ホームドア★
千葉駅(1・2番線):スマートホームドア★

●南武線
川崎駅(5・6番線):スマートホームドア
尻手駅(1・2番線):スマートホームドア★
矢向駅(1~3番線):スマートホームドア★
鹿島田駅(1・2番線):スマートホームドア★
平間駅(1・2番線):スマートホームドア★
向河原駅(1・2番線):スマートホームドア★
武蔵中原駅(2・3番線):スマートホームドア★
武蔵溝ノ口駅(1・2番線):従来型ホームドア
武蔵溝ノ口駅(3番線):スマートホームドア★
津田山駅(1・2番線):スマートホームドア
久地駅(1・2番線):スマートホームドア
宿河原駅(1・2番線):スマートホームドア
登戸駅(2番線):スリットフレームホームドア★
中野島駅(1・2番線):スマートホームドア★
稲田堤駅(1・2番線):スマートホームドア
稲城長沼駅(2・3番線):スマートホームドア★
分倍河原駅(1・2番線):スリットフレームホームドア★
西府駅(1・2番線):スマートホームドア
矢川駅(1・2番線):スマートホームドア★
西国立駅(1・2番線):スマートホームドア★

JR東日本は2031年度末ごろまでに東京圏在来線の主要路線330駅758番線にホームドアを整備することを目指している。しかし世界的な半導体不足の影響を受け、一部の駅のホームドア整備を延期するなど計画に遅れが生じていた。

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