JR東海は11月26日、非電化路線向けの車両として開発に取り組んでいる「水素動力車両」について、その動力源となる水素エンジンハイブリッドシステムの試作機が完成したと発表した。燃料電池式と並行して研究を進める。
産業用のディーゼルエンジンをベースに、HC85系ハイブリッド気動車で使用している発電機や車両制御装置、蓄電地を組み合わせた。水素エンジンは鉄道車両への適用を考慮し、エンジンが一定の回転数で動作できるよう改良。車両制御装置は加速時や勾配区間の走行時など負荷状況に応じ、水素エンジンと蓄電池の出力を最適化する機能を実装した。
JR東海は同社の小牧研究施設で11月から単体での性能評価試験を実施。来年度2025年度には模擬車両と組み合わせた模擬走行試験を行う計画だ。
JR東海は軽油燃料の気動車に代わる水素動力車両の開発に取り組んでいる。動力源は水素を燃料とする燃料電池と、水素エンジンで発電した電気を検討。このうち燃料電池ハイブリッドシステムは2023年度から模擬走行試験を進めている。
水素動力車両は日本のほか中国や台湾、ドイツ、フランス、英国、米国などで開発が進められているが、そのほとんどは燃料電池式とみられる。JR東海によると、水素エンジンは高い耐久性と出力密度、高負荷域での高い効率が期待できる。また、燃料電池に比べて低い水素純度でも運転できる特長があるという。
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