世界的な半導体不足の影響を受け販売を中止している一部の交通系ICカードについて、JR東日本などは8月20日、記名式カードのみ販売を再開すると発表した。
販売が再開される交通系ICカードは、JR東日本「Suica」と東京臨海高速鉄道「りんかいSuica」、関東私鉄系「PASMO」。いずれも個人情報を登録した記名式カードのみ9月1日から販売を再開し、無記名式カードは引き続き販売を中止する。現在も販売中・サービス継続中の子供用カード・障害者用カードやカード障害・紛失時の再発行サービスは継続する。
一方、昨年2023年5月から今年2024年3月にかけ新たにSuicaが利用できるようになった青森・盛岡・秋田・山形の各地方エリアでは例外的に記名式・無記名式ともに新規販売を続けていたが、9月1日からはほかのエリアと統一。記名式カードのみ販売し、無記名式カードの販売は中止する。このほか、東京モノレールのICカード「モノレールSuica」は記名式・無記名式ともに引き続き販売を中止する。
Suica・りんかいSuica・モノレールSuica・PASMOは世界的な半導体不足の影響を受け、昨年2023年6月に無記名式カードの発売を中止。同年8月からは記名式カードの発売も中止していた。記名式カードの販売は1年ぶりになる。
JR東日本・PASMO協議会・東京臨海高速鉄道の3者によると、記名式カードは「今後も継続して供給できる見込みがたった」として販売を再開。ただし今後の販売状況によっては記名式カードの販売を再び中止する可能性もある。一方で無記名式カードは「直近で調達可能なカードの供給数量では在庫不足となる可能性が高い」として販売中止を継続するという。
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