列車の遅れ防止で「1カ月ほど終日運休」JR山田線の一部区間、落葉による空転対策



JR東日本の盛岡支社は7月24日、山田線の一部区間を10月15日から11月15日にかけ1カ月ほど運休すると発表した。秋季の落葉などによる車輪の空転で列車が大幅に遅れることから、列車を走らせないことで遅延を防止する。

山田線の列車。【撮影:草町義和】

運休するのは上米内~川内。回送列車をのぞくすべての営業列車が終日運休する。盛岡~上米内は終日折り返し運転を実施し、一部の列車で時刻を変更。川内~宮古では一部列車を運休し、朝夕の時間帯を中心に川内~宮古か茂市~宮古で折り返し運転を行う。

運休区間の代行輸送は行わない。ただし岩手県北バスの「106特急・急行バス」の並行区間で振替輸送を利用可能。JRの切符で「106特急・急行バス」を利用できるようにする実証実験も実施中だ。

期間中の山田線の運行体制。【画像:JR東日本】

盛岡支社によると、山田線は落葉が増える10月から11月にかけて車輪の空転による列車の大幅な遅れが発生しやすい。昨年2023年の1日の総遅延時間では最大で350分近い遅延が生じた。区間別の総遅延時間(2023年10月1日~11月30日)では山間部の上米内~川内で遅れが生じやすく、上米内~区界で952分、区界~松草で237分、松草~川内で811分の遅延が生じたという。

山田線の日別の総遅延時間。落葉が増える10~11月に遅延時間が長くなる。【画像:JR東日本】
区間別では山間部の区間で空転が発生しやすく遅延時間も長くなる。

盛岡支社は通勤通学の利用が多い区間の安定輸送の提供を図るとして、上米内~川内を計画的に終日運休するとしている。

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