広島電鉄は6月20日、もと京都市電の1900形電車15両のうち2両が引退すると発表した。1900形では初の引退車両。7月にさよなら運行と撮影会イベントが行われる。
引退する2両は1900形の1902号「桃山」と1903号「舞妓」。7月6・7・13日に8号線でさよなら運行が行われる。運行区間と時刻は江波11時12分→横川駅→12時09分(1902号)と江波14時12分→横川駅→江波15時09分(1903号)。通常の営業列車として運行され、誰でも乗車できる。
撮影会は7月14日、千田車庫で第1部(10時30分~)と第2部(12時~)の2回実施。1900形の全15両を記念ヘッドマーク付きで並べる。第2部は1902・1903号内のつり革を記念品として持ち帰ることができるほか、車内部品の入札も行う。
有料・事前申込制で参加費用は第1部が1万円、第2部が1万5000円。申し込みは6月28日15時からイベント予約サイト「peatix」で先着順に受け付ける。募集人数は各部50人。
1900形は1955~1957年に京都市電の900形電車として35両が製造された。このうち1957年に製造された16両がワンマン運転に対応するため改造され、形式名も1900形に変わった。京都市電の全廃前後(1977~1978年)、事故で廃車になった1両を除く15両が広島電鉄に譲渡。移籍後は1両ごとに京都にちなんだ愛称が公募により設定された。
製造から67年近くが過ぎているが「車両の堅牢さと運転や整備のしやすさ」(広島電鉄)から1両も欠けることなく運用され、ほかの鉄軌道事業者から譲り受けた現役車両としては車両数が最も多い。しかし今年2024年春、1902号と1903号が通常の営業運行から離脱し、その去就が注目されていた。
《関連記事》
・広島電鉄の新線「駅前大橋ルート」工事のいま 現行ルート廃止で運行系統どう変わる?
・広島電鉄「被爆電車」プロジェクト、2024年は7月の平日に運行