宇都宮市と栃木県芳賀町を結ぶ路面電車タイプの軽量軌道交通(LRT)「宇都宮芳賀ライトレール線」(ライトライン)が8月26日に開業してから1カ月が過ぎた。宇都宮市は9月28日、開業から1カ月間で需要予測の1.4倍となる約42万人がライトラインを利用したと発表した。
宇都宮市などはライトラインの開業前、1日あたりの利用者数を平日で約1万6000人とし、開業初年度は平日で約1万2800人、土曜・休日で約4400人と予測していた。宇都宮市によると、8月26日~9月25日の利用者数は1日あたり1万2000~1万3000人で予測とほぼ同じレベル。土曜・休日は平日を上回る1万5000~1万6000人で予測の3.4~3.6倍になった。
最も利用者が多かった日は9月3日で約2万人。この日は沿線の本田技術研究所で「ホンダ祭り」というイベントが開催されたほか、栃木県グリーンスタジアムでも栃木SC対藤枝MYFCの試合が行われた。
一方で9月1・5・17日の計3回、自動車との接触事故が発生。平日はICカードでの利用者が多くほぼダイヤ通りに運行されているが、土曜・休日は現金で利用する客が多く運賃の収受に手間取りダイヤが乱れるなどの課題も浮き彫りになった。
宇都宮市は「運行頻度や本数を抑えた運行状況の中、予測を上回る、多くの方にご利用いただいている。今後も、より多くの方にご利用いただき、定着が図られるよう、芳賀町や宇都宮ライトレール株式会社と連携しながら取り組んでいく」としている。
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