芳賀・宇都宮LRTの名前「ライトライン」に統一 車両・路線・事業の愛称を一体化



宇都宮市の佐藤栄一市長は9月28日、宇都宮市と栃木県芳賀町を結ぶ路面電車タイプの軽量軌道交通(LRT)について、今後は車両愛称の「LIGHTLINE(ライトライン)」を路線や事業も含めた一体的な愛称として活用する考えを明らかにした。

宇都宮芳賀ライトレール線を走るHU300形「ライトライン」。今後は路線の愛称としても「ライトライン」が使われる。【撮影:草町義和】

LRTは宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地の14.5kmを結ぶ路線として8月26日に開業。宇都宮市と芳賀町が施設や車両を保有し、第三セクターの「宇都宮ライトレール」が両市町から施設・車両を借り入れて運行している。

事業としての名称は「芳賀・宇都宮LRT」だが、軌道法に基づく工事施行認可の手続きなどでは「宇都宮芳賀ライトレール線」が路線名称として使われている。車両(HU300形電車)の愛称は一般からの公募を経て2021年4月、「ライトライン(LIGHTLINE)」に決まった。

しかし、停留場などでの案内表記は車両愛称の「ライトライン」を使用。ネット上の乗換検索・運行情報サービスでは「宇都宮ライトレール線」(Yahoo!路線情報)や「宇都宮芳賀ライトレール」(NAVITIME)などサービスによって異なり、統一性がなかった。

東宿郷停留場のホーム。「LIGHTLINE」の案内表記(左上)が見える。【撮影:草町義和】
車両・路線・事業の名称。【画像:宇都宮市】

これについて、都市鉄道研究家・鉄道ライターの枝久保達也さんが「せっかくの新しい乗り物の名前が不確かでは利用者も戸惑うし、親しみも湧かない」(2023年9月11日『ダイヤモンド・オンライン』)と批判。9月14日の宇都宮市議会建設常任委員会でこの問題が取り上げられ、宇都宮市は愛称を「ライトライン」に統一する考えを示していた。

宇都宮市によると、車両愛称の決定から2年半ほどが過ぎ、市民・町民や報道などで「ライトライン」の定着度が高くなってきていることから、「ライトライン」を車両だけでなく路線や事業などの一体的な愛称として活用することにした。事業や路線の正式な名称は変更せず、必要に応じて愛称と正式名称を使い分ける。会社名は引き続き「宇都宮ライトレール」を統一的な表現とし、愛称は設定しないという。

佐藤市長は「『ライトライン』を一体的な愛称としてさまざまな場面で積極的に活用することで、マイレール意識の醸成を図っていく」としている。

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