JR四国「新型ローカル気動車」「運賃改定」検討 特急リニューアルやワンマン拡大も



JR四国は3月31日、同社グループの2022年度の事業計画を公表した。観光需要の創出などでコロナ禍以前の収益水準への回復を目指すほか、省力化・省人化による生産性向上などを図る。運賃改定や新型車両の検討、車両のリニューアルなども進める。

国鉄時代に導入されたJR四国のキハ40系。【撮影:草町義和】

事業計画では運輸収入の安定的な確保のため、「運賃改定の実施に向けた検討の深度化」を経営基盤強化策の一つとして掲げており、運賃値上げの検討を進めるとみられる。この検討では「(運賃改定について)地域やご利用の皆様のご理解をいただける取組みの推進」も挙げ、その一環として経営状況や輸送状況の開示を行う。

鉄道施設の整備計画では、経営体質改善策として「チケットレスアプリの開発」「バリアフリー施設の整備」などを盛り込んだ。車両については生産性向上のための車両改造や環境性能の高い車両の導入に向けた検討を行うとし、具体的には「特急電車のリニューアル」や「新型ローカル気動車仕様書作成」を挙げた。このほか、ワンマン運転の拡大に向け設備の改良や車両の改造を行うとした。

JR四国が保有する普通列車用の一般型気動車は、35年前の国鉄分割民営化より前に導入されたキハ40系やキハ32形、キハ54形があるほか、同社発足後に開発された1000形(一部は1200形に改造)も最初の導入から30年以上が過ぎている。「新型ローカル気動車」は、これらの車両の更新を目的に検討されるとみられる。

JR四国発足後に導入された1000形。【撮影:草町義和】
JR四国の特急電車。【撮影:草町義和】

収支計画によると、グループ全体の営業収益は415億円、営業費用は595億円とし、180億円の営業赤字と18億円の経常赤字を見込む。鉄道事業は営業収益を196億円とし、このうち運輸収入は169億円。営業赤字を191億円とした。JR四国単体の設備投資計画は総額133億円。

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