貨物列車で「外国貨物」運ぶ 西鉄やJR貨物がタッグ、関西~羽田・成田



西鉄・センコー・JR貨物関西支社の3社は12月13日、国内にある保税地区のあいだで外国貨物を運ぶ「保税運送」に鉄道を使うと発表した。9月からテスト輸送を行っており、来年2023年4月から本格的に開始する予定。

JR貨物の百済貨物ターミナル駅。【撮影:草町義和】

関西空港の近くにある西鉄りんくう貨物センター(大阪府泉佐野市)からトラックで百済貨物ターミナル駅(大阪市)に輸送。同駅を21時40分に発車する貨物列車に載せ替えて東京貨物ターミナル駅(翌日5時52分着)に運び、トラックで羽田空港か成田空港の国際貨物地区に送る。

鉄道を使った保税運送の流れ。【画像:西鉄・センコー・JR貨物】

保税運送は国際空港や国際港の近くにある保税地区の相互間を、関税・消費税の支払いを留保して外国貨物のまま運ぶこと。関西空港を出発する国際線の便数が新型コロナウイルスの影響で減少していることから、西鉄は便数が比較的多い羽田・成田の両空港に外国貨物を保税運送している。

3社によると、この保税運送では長距離トラックを使っているが、長距離トラックのドライバー不足が危惧される「2024年問題」や二酸化炭素(CO2)排出量の増加などの複合的な課題を解決するため、3社が協働して鉄道を使った保税運送を行うことにした。貨物列車を使って輸送する場合、CO2排出量は全行程をトラックで運ぶより約60%程度削減されるという。

3社は西鉄の手配により西鉄りんくうから成田・羽田空港国際貨物地区へ保税運送している貨物について、将来的には現在の半分ほどを鉄道ルートに切り替えることを目指すとしている。

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