国土交通省の中部運輸局長は8月1日、豊橋鉄道(愛知県)の鉄軌道事業の旅客運賃上限変更を申請通り認可した。
鉄道(渥美線)は改定率が12.6%。普通旅客運賃の上限はすべての距離帯で一律30円の値上げになる。初乗り(2kmまで)は現行140円を170円に改定。18kmまでの運賃は現行520円が550円に変わる。定期旅客運賃の上限は大人・1カ月の場合、通勤定期が全距離帯で一律1260円の値上げ。通学定期は一律900円の値上げになる。
豊橋市内の路面電車(東田本線=市内線)の改定率は11%。普通旅客運賃の上限が現行180円から20円値上げの200円になる。定期旅客運賃は大人・1カ月の場合、通勤が840円値上げの8400円。通学は600円値上げの6000円だ。
豊橋鉄道によると、自動車交通の進展や人口減少で鉄軌道事業を取り巻く環境は非常に厳しい状況。施設・車両の老朽化や物価高騰による維持費の増加もあり、運賃の改定を申請したという。現行運賃のままの場合、収支率(2024~2026年度の3年間合計)は78.1%だが、認可運賃を適用すると87.1%に改善される見込みだ。
運賃改定は来年2024年春の予定。豊橋鉄道は実際に適用する運賃(実施運賃)について「今後、上限の範囲内で別途国土交通省中部運輸局宛に旅客運賃等変更届を提出する」としており、認可された上限額よりは安くなる可能性もある。実施運賃の額や改定日は後日案内される。
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