小田急5000形「線路や架線のチェック装置」搭載 総合検測車どうなる?



小田急電鉄は通勤車両の5000形電車に、鉄道設備をチェックするためのモニタリング装置を搭載する。同社が5月14日に発表した本年度2024年度の鉄道事業設備投資計画に盛り込んだ。

小田急電鉄の5000形。【画像:からのち/写真AC】

5000形は2020年にデビューした小田急電鉄の新型通勤車両。これまでに120両(10両編成12本)が導入されている。設備投資計画によると、本年度2024年度は8000形電車の代替車両として5000形10両編成2本を増備。このうち1本は効率的なメンテナンス手法(CBM)を推進するため、線路や架線など鉄道設備のモニタリングを行う装置を搭載するという。

小田急電鉄の広報部によると、5000形に搭載するモニタリング装置で取得したデータは、技術コンサルティングの日本線路技術(NSG)が開発した保線管理システム「RAMos+(ラモスプラス)」を使って処理するという。

総合検測車のクヤ31形(先頭の1両)。【画像:小田急電鉄】

小田急電鉄は2004年、総合検測車のクヤ31形「TECHNO-INSPECTOR(テクノインスペクター)」を導入。営業用の電車の牽引で小田急線を走行し、軌道や架線のチェックを行っている。同社の広報部によると、5000形に搭載するモニタリング装置は「テクノインスペクター」と同等以上の機能がある。ただし「テクノインスペクター」を引退させるかどうかについては、移行期間を設けたうえで今後の処遇を検討するという。

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