阪急電鉄は4月16日、京都線に導入する新型車両「2300系」を正雀車庫(大阪府摂津市)で報道関係者に公開した。同線で新たに始まる座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」用の車両も連結する。

公開されたのは2300系電車の第2300編成で、大阪寄りから2300(Tc)+2800(M)+2900(M’)+2350(T)+2450(T)+2850(M)+2950(M’)+2400(Tc)の8両。このうち大阪寄り4両目の2350号がPRiVACE車で、それ以外の7両は一般車両になる。
車体はアルミダブルスキン構造を採用。外装は従来通りマルーンカラーを採用したが、PRiVACE車はロゴマークや金色の帯で装飾した。先頭部は前面の窓ガラスに曲線を取り入れて「疾走感」を醸し出したデザインにしたという。カタカナの「ア」のように見えるPRiVACEのロゴマークのヘッドマークも取り付けられた。





一般車両はドアが片側3カ所で座席は横4列(2+2列)の転換式クロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートを採用。安全対策として防犯カメラを設置したほか、優先座席の中間部に握り棒を設置した。また、インバーター式空調装置と空気清浄機を阪急電鉄として初めて採用した。






車椅子スペースは壁面の手すりを2段式にするとともに、車椅子の固定具を新設。車椅子スペース・優先座席付近のつり手は高さを低くした。


PRiVACE車は中央1カ所にドアとデッキを設けて客室を二つに分割。リクライニングシートを横1列3席(1+2席)で配置した。一般車両の座席に比べ座席幅と足元の前後のスペースを広く取ったほか、リクライニングに座面が連動する機構を採用した。このほか、車内にはスーツケースなどを収容できる共用荷物コーナーも設置した。













制御装置はVVVFインバーター方式で高効率の半導体素子を採用。既存車両と比較して消費電力量を約60%削減する。車外側面の行先表示機のLEDは走行中に消灯することで消費電力量のさらなる低減を図るという。


2300系は7月にデビューし、PRiVACEも同時にサービスを開始する予定。既存の9300系電車にもPRiVACE車の2350形を新造して連結する計画だ。
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