阪急電鉄「新型車両」2300系・2000系の内外装や諸元を発表 座席指定に対応



阪急電鉄は10月6日、京都線の新型特急電車「2300系」と神戸・宝塚線の新型通勤電車「2000系」を新造するとし、内外装のデザインなどを発表した。同社の鉄道車両の伝統的なデザインを継承しつつ、バリアフリー設備の充実化と省エネルギー化を目指す。京都線の2300系は座席指定サービスにも対応する。

新型車両2300系の外観イメージ。【画像:阪急電鉄】

2300系・2000系ともに8両編成。京都線用の2300系はセミクロスシート仕様で、大阪寄りから4両目に阪急電鉄としては初の座席指定サービスを導入する。神戸・宝塚線用の2000系はロングシート仕様だ。

車体はアルミダブルスキン構造を採用、外装は従来通りマルーンカラーを採用する。その一方で前面の窓ガラスに曲線を取り入れて「疾走感」を醸し出したデザインに変更するという。

車内は従来通り木目調の化粧板とゴールデンオリーブ色の座席でデザイン。ロングシート端部の袖仕切りは半透明の素材に変更して「開放的な空間づくり」にするという。安全性の向上策として防犯カメラを設置するほか握り棒を増設。ロングシートの2000系は座席の端部に加え中間部にも握り棒を設ける。セミクロスの2300系は優先座席の中間部に握り棒を設置する。

2300系の車内イメージ。【画像:阪急電鉄】
2000系の車内イメージ。【画像:阪急電鉄】

車椅子スペースは壁面の手すりを2段式にするとともに、車椅子の固定具を新設。従来は連結部ドア横に設置していた非常通話装置の位置を乗降ドア横に変更する。車椅子スペース・優先座席付近のつり手は高さを低くするほか、「色覚の多様性」に配慮した配色に変更。離れた場所からでも認識しやすいようにする。また、先頭車両の車椅子スペースは座席を減らしてスペースを拡大する。

大阪寄り先頭車の車椅子スペース・優先座席のイメージ。【画像:阪急電鉄】

インバーター式空調装置と空気清浄機を阪急電鉄として初めて採用した。制御装置はVVVFインバーター方式で高効率の半導体素子を採用。既存車両と比較して消費電力量を約60%削減する。車外側面の行先表示機のLEDは走行中に消灯することで消費電力量のさらなる低減を図るという。

2300系と2000系の主要諸元。【画像:阪急電鉄】

来年2024年夏から順次運用を開始する予定。同社が車両のモデルチェンジを行うのは2013年以来、11年ぶりになる。

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