鹿島臨海鉄道(茨城県)は4月11日、大洗鹿島線の旅客運賃上限変更認可を国土交通省の関東運輸局長に申請した。認可された場合、同社は10月1日に運賃を値上げする。平均改定率は17.7%で、普通旅客運賃は21.1%。定期旅客運賃は通勤が25.6%、通学が9.2%になる。
普通旅客運賃の上限は初乗り(1~3km)が現行180円のところ50円値上げの230円。水戸~大洗11.6kmは現行330円から90円値上げの420円、水戸~新鉾田31.0kmは現行820円から140円値上げの960円になる。水戸~鹿島サッカースタジアム53.0kmは現行1400円のところ160円値上げの1560円。JR鹿島線への乗り入れ区間を水戸~鹿島神宮56.2km(JR線の区間を含む)は1750円だ。
定期旅客運賃の上限は1カ月の場合、1~3kmで通勤が1940円値上げの8970円。水戸~大洗は1万6380円で3960円の値上げだ。通学も値上げされるが割引率を現在の50%から55%に引き上げ、水戸~大洗では1800円値上げの1万1340円になる。
大洗鹿島線の旅客運賃が値上げされるのは、消費税率の引き上げによるものを除くと1995年以来29年ぶり。同社によると、沿線地域の人口減少などの影響を受け、年間利用者数は1992年度の358万人をピークに減少。2022年度は172万人に半減した。燃料価格の上昇や物価上昇などによる経費増加に対応する一方、老朽化した車両や施設の更新を図って輸送の安全や旅客サービスの向上を推進するため、運賃の値上げを申請したという。
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