りんかい線「新型車両」2024年から運行開始へ 従来より「広く」「低く」



りんかい線を運営する東京臨海高速鉄道は、2024年から「新型車両」を運行開始する方針を明らかにした。3月31日に公表した『りんかい線 中期経営計画2022』に導入時期や概要などを盛り込んだ。

最初の製造から四半世紀が過ぎた東京臨海高速鉄道70-000形。【撮影:草町義和】

この計画では「2024年の運行開始に向け、より安全で快適な車内空間を有する新型車両の導入準備を推進」するとしている。車体の幅を広げて混雑時の圧迫感を緩和。床の高さを50mm低くすることでホームと車両の段差を縮小し、バリアフリー化を促進する。

また、視認性の高い車内案内表示器や空気清浄機能を搭載。手すり・つり手も使いやすくする。すべての車両に防犯カメラを設置するほか、通話機能を追加した非常通報器も搭載し、車内のセキュリティ向上を図るという。

りんかい線は新木場駅から臨海副都心を経由して大崎駅を結ぶ全長12.2kmの鉄道路線。大崎駅でJR埼京線と接続し、同線との相互直通運転が行われている。2002年の直通運転開始当初はJR東日本の車両が205系だったが、現在は2013年から運行開始した幅広車体の電車(E233系7000番台)に更新されている。

りんかい線に乗り入れる幅広車体のE233系7000番台。【撮影:草町義和】

一方、東京臨海高速鉄道の車両は1995年から2004年にかけ製造された70-000形が現在も使われている。最初の製造から四半世紀が過ぎており、東京臨海高速鉄道は2018年6月に策定した『経営改革プラン』に「2022年度の新車両導入を目指し、計画的に進める」との文言を盛り込んでいた。このときの目標時期からは若干遅れることになる。

『中期経営計画2022』による設備投資額(2022~2024年度)は163億円。このうち64億円を新型車両の導入に充てる。このほか、ホームドアの設置(14億円)やエスカレーターの更新(5億6000万円)、自動精算機の更新(2億8000万円)、障害車両ICカードの導入(2億1000万円)などを盛り込んだ。

2024年度の数値目標は営業収益179億円、経常利益22億円とし、自己資本比率は43%、有利子負債は1045億円にするものとした。

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