JR四国「2024年3月16日ダイヤ改正」一斉集合・解散で乗り換えしやすく



JR四国は12月15日、来年2024年3月16日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。「タクトダイヤ」や「パターンダイヤ」を導入し、乗り換えのしやすさや分かりやすさを重視したダイヤに変える。

タクトダイヤが導入される徳島駅。【画像:nekomi/写真AC】

おもなダイヤ改正の内容は次の通り。

高徳線・徳島線・牟岐線(徳島駅)

徳島駅に乗り入れる各線の列車の発着時刻をできるだけ近い時間に統一。列車が一斉に「集合」して一斉に「解散」するタクトダイヤを導入し、各線相互の乗り換えをしやすくする。

10時台前半の場合、まず10時06分に高徳線・板野発の普通列車が到着。続いて10時09分に徳島線・阿波池田発の普通列車、10時12分に牟岐線・阿南発の普通列車、10時16分に高徳線・高松発の特急「うずしお」が順次到着する。

列車が順次到着したあとは、各線の列車が徳島駅を順次発車。まず徳島線の阿波川島行き普通列車が10時22分に発車し、続いて10時23分に高徳線・高松行き特急「うずしお」、10時26分に高徳線・板野行き普通列車、10時30分に牟岐線・阿南行き普通列車が発車する。これにより最短で6分、最長でも24分で各線の列車を相互に乗り換えできるようになる。

タクトダイヤのイメージ。【画像:JR四国】

「タクト」はドイツ語で「指揮棒」のこと。JR四国によると、タクトダイヤは指揮者のタクトに合わせて公共交通が連動しながら動くイメージという。

このほか、高徳線・徳島線・鳴門線~牟岐線の相互を直通する列車を現在の11本から19増やして30本にする。

高徳線

10~16時台の高松~引田でパターンダイヤを導入。普通列車は毎時1本パターン(高松~三本松・引田)に加え、2時間に1本パターン(高松~オレンジタウン)を運行する。

高松駅の下り列車(引田・徳島方面)の場合、10~16時台は毎時42分発の普通列車を運行。10・12・14・16時台はさらに普通列車を1本運行する。特急列車は12時台が05分発になるほかは毎時10分発で運行する。

特急「うずしお」は岡山直通の列車を除き、昼間時間帯の高松~徳島の途中停車駅をおおむね栗林・屋島・志度・三本松・引田・板野・池谷の各駅に統一。現行ダイヤで讃岐津田駅に停車している4本と勝瑞駅に停車している2本は通過する。

高徳線の特急「うずしお」。【撮影:草町義和】

徳島線

現在もパターンダイヤが導入されているが、さらに拡充。徳島駅の9時以降の発車時刻をおおむね統一し、徳島~穴吹を9~16時台に運行する普通列車の発車時刻もおおむね統一する。徳島~穴吹で普通列車を2本増やし、徳島~阿波川島でも普通列車を1本増発する。

土讃線(特急)

特急「南風」の自由席の一部を指定席に変更。現在の指定席数は60席(土曜・休日の一部の列車は106席)だが、改正後は18席増の78席(土曜・休日の一部の列車は124席)になる。これにより自由席は18席減って44席になる。

高知20時34分発の高松行き上り特急「しまんと8号」は、宿毛発に変更して運行区間を拡大する。時刻は宿毛18時24分発→高知20時34分発→高松22時46分発。

土讃線(高知)

高知~伊野で11~15時台の普通列車の発車時刻をおおむね統一したパターンダイヤを導入。高知駅では下り普通列車(須崎・窪川方面)を原則として毎時06分発とし、伊野駅では上り普通列車(高知方面)を原則として毎時17分発にする。

また、高知~伊野で普通列車を2本増発。高知~須崎でも普通列車を1本増発する。特急「あしずり5・10号」は旭駅と朝倉駅に停車。パターンダイヤの時間的における「あしずり」の高知~窪川での停車駅を統一するとともに、発車時刻をおおむね統一する。

土讃線の高知駅。【画像:りっくん_/写真AC】

その他

予讃線・土讃線・高徳線・徳島線・牟岐線の各線で利用状況に応じて特急列車や普通列車の減便や行き先の変更を実施する。

また、次の11駅では駅員の配置を終了して無人駅にする。

徳島県(6駅):板野駅・勝瑞駅・佐古駅・石井駅・南小松島駅・羽ノ浦駅
香川県(2駅):端岡駅・高瀬駅
愛媛県(1駅):伊予市駅
高知県(2駅):旭駅・伊野駅

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