阪堺電軌の浜寺駅前停留場「西→東」移設へ 南海本線高架化工事で休止期間を最小限に



堺市は阪堺電軌の阪堺線・浜寺駅前停留場の移設に向け、都市計画の変更手続きを進めている。南海本線の高架化工事に伴うもの。4月に都市計画変更素案の説明会を行う。

現在は浜寺公園駅の西側にある浜寺駅前停留場。【画像:しまえす/写真AC】

現在の阪堺線は南海本線の東側を南下するルートだが、南海本線・諏訪ノ森~浜寺公園のほぼ中間で同線の線路をまたいで立体交差し、終点の浜寺駅前停留場は浜寺公園駅の西側に設けられている。

都市計画変更の素案によると、阪堺線は現在の立体交差部の手前で左に曲がり、南海本線の東側に隣接して進むルートに変更。浜寺駅前停留場も浜寺公園駅の東側に移設する。これに伴い、立体交差部で寸断されている南海本線西側の附属街路を一体化する。

素案の説明会は4月19日19~20時に浜寺三光会館で開催。翌4月20日も19~20時に浜寺昭和小学校体育館で開催される。

都市計画変更の素案による変更前と変更後。【画像:堺市】

堺市は現在、同市内の諏訪ノ森駅と浜寺公園駅を含む南海本線の約2.7kmを高架化し、7カ所の踏切を解消する連続立体交差事業を実施中。2023年1月までに上り線の線路が仮線に切り替えられた。線路の高架化や側道工事なども含む事業完了は2028年3月の予定だ。

南海本線と阪堺線を現在のルートのままで事業を実施する場合、立体交差部では南海本線の高架化に加えて阪堺線の軌道を地上に下ろす工事も必要。阪堺線を長期運休する必要があるなどの課題があった。このため堺市は休止期間が最小限になるよう検討。阪堺線の軌道を南海本線の西側から東側に移すことで、立体交差が生じないルートに変えることにした。

堺市は立体交差部で寸断されている付属街路が諏訪ノ森駅から浜寺公園駅まで1本の道路になることで、環境保全に加えて円滑な動線の確保と地区の津波避難経路の確保などに寄与するとしている。

堺市は今後、説明会と5月ごろの公聴会を経て都市計画案を作成し、8月ごろには都市計画案の縦覧と意見書の募集を行う予定。11月ごろの都市計画審議会を経て12月ごろには都市計画の変更・告示を行う方針だ。

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