山梨県が推進する富士山登山鉄道の構想に反対している富士吉田市は1月16日、同市が実施した富士山登山鉄道の賛否を問うアンケートの最終結果を公表した。全体では中間報告から大きな変化はなく、回答者の6割以上が構想に反対した。
富士山登山鉄道の構想は富士山の有料道路「富士スバルライン」に軽量軌道交通(LRT)を整備するもの。アンケートは富士吉田市が昨年2023年10月17日に開始。山梨県の構想概要と富士吉田市の構想に対する考え方を表記したうえで、全国の人を対象にネット上で意見を募集した。2023年12月には中間報告を行っている。当初はアンケートの募集期間を11月末としていたが延長され、最終的に2024年1月10日まで行われた。
回答者は1万4182人で、中間報告時(2023年11月30日時点で1万2531人)より1600人ほど増えた。「賛成」「どちらかと言えば賛成」は中間報告時より2ポイント減の37%、「反対」「どちらかと言えば反対」は2ポイント増の63%だった。
富士吉田市民に限ると「反対」「どちらかと言えば反対」が大幅に増えて86%になり、地元の反対傾向が強い。構想を知らない人に限ると賛否が半々だったが、構想を知っている人に限ると「反対」「どちらかと言えば反対」が77%を占めた。登山経験者では「反対」「どちらかと言えば反対」が69%。登山経験がない人に限っても「反対」「どちらかと言えば反対」が59%を占めた。
富士吉田市はアンケート結果を踏まえ、富士山登山鉄道の構想を中止させる方向で取り組む考え。2月には富士山の関係者との意見交換会を開く。
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