富士山登山鉄道「反対6割」富士吉田市のネットアンケート、12月末まで延長



山梨県の富士吉田市は12月6日、山梨県が構想している富士山登山鉄道について賛否を問うネットアンケートの中間報告を公表した。反対意見が全体の約6割を占めた。同市はアンケート期間を12月末まで延長する。

スイスの登山鉄道(ゴルナーグラート鉄道)。【画像:minikiro/写真AC】

このアンケートは10月17日に開始。11月30日時点で全国から1万2531人の回答が寄せられた。このうち賛成は39%で、反対が61%だった。

回答者を富士吉田市(1233人)に絞った場合、反対が85%と大幅に上昇。登山鉄道の構想を知らない人に限ると賛否が半々だったが、知っている人に限ると反対74%と増加した。富士山の登山経験の有無で見ると経験者は賛成34%、反対66%。登山したことがない人では賛成44%、反対56%だった。

富士吉田市は当初、アンケート期間を11月末までと想定していた。同市によると、11月21・23日に山梨県内の富士山麓の自治体で開催された山梨県主催の説明会の反響が非常に大きく、問い合わせも多数あることから、アンケート期間を12月31日まで延長することにしたという。

富士吉田市は今後、山梨県・静岡県の富士山関係者、観光事業者、環境団体などが参加する意見交換会を来年2024年1月下旬にも開催する考え。富士山登山鉄道のほか富士山の入山規制や入山料などについて議論する。

富士スバルラインのルートと富士山登山鉄道の整備範囲。【画像:山梨県】

富士山登山鉄道は富士山の山麓から5合目までを結んでいる有料道路(富士スバルライン)に軌道を敷設して架線レス路面電車タイプの軽量軌道交通(LRT)を整備する山梨県の構想。同県は登山鉄道への転換で環境負荷を軽減できるなどの利点があるとしている。一方で富士吉田市は災害発生時のリスクなどを挙げて構想に反対している。

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